中国株大崩れの深層、2週間で2割も急降下

世界景気の牽引車が息切れか--。政府の強力な財政・金融支援を背景に、経済成長を堅持する中国。しかし、8月に入ってから、株式相場の下げ基調が止まらない。8月17日には、代表的な株価指数である上海総合指数が前営業日比で約6%安の2870をつけ、今年最大の下落幅となった。

昨年11月、政府は2年で4兆元を投じる巨額の景気刺激策を発表。今年の上海市場は年初(1月5日)の1849から一本調子で上げ続けた。年初来高値の3478をつけたのは8月4日。その後、わずか2週間のうちに2割もの下げを演じている。

引き締め観測が冷や水

相場急落のきっかけと目されるのが、8月5日に中国人民銀行(中央銀行)が発表した四半期政策報告書だ。「市場化手段を運用して動態を微調整する」という表現が盛り込まれ、現状の金融緩和政策が引き締めに転じるのではないかとの憶測を呼んだ。

昨年半ばまで人民銀行は預金準備率の引き上げや、銀行融資の総量規制などインフレ対策に傾斜。だが、景気後退を受けて昨年10月からは利下げを含めた金融緩和を余儀なくされてきた。今年3月の全国人民代表大会(国会に相当)でも、景気刺激策の一環で「5兆元以上の銀行融資拡大」を温家宝首相が宣言した。

結果として、6月までにその額は7兆元を超えた。ただし、「そのうちの約2割程度が、不動産と株式市場に流入したというのが、当局者の共通認識」(政府系エコノミスト)。そのため、資産バブルを警戒する人民銀行は、景気底打ちの気配が広がった4~6月に、銀行融資の実態を調査したとされている。無規律な融資増に歯止めをかける時期と手法を模索したようだ。

市場では、人民銀行の政策報告書がマイナス要因として懸念され、上海総合指数は下落。一方、人民銀行も即座に動いた。7日に蘇寧副総裁が記者会見を行い、「商業銀行の融資規模をコントロールすることはない」と、総量規制実施の考えがないことを強調している。この2日後には、江蘇省を視察していた温首相も政府の基本方針である「積極的財政政策と適度に緩和的な金融政策の堅持」を再確認するコメントを公表。一時は相場が持ち直し、落ち着きを取り戻すかに見えた。

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