建設機械需要の回復は10年度にズレ込み、建設機械工業会が09年度予測を下方修正
日本建設機械工業会は20日、2009年度の建設機械需要予測を発表した。それによると、09年度の建機出荷台数は上期下期とも従来予想を3割引き下げ、通年で対前年度比42%減となる1兆1370億円と予測。また、今回初めて発表した2010年度の見通しは、同17%増の1兆3272億円で3年ぶりに増加に転じる、としている。
世界需要減退の直撃を受けている建機業界だが、想定以上に回復が遅れる、との業界認識が鮮明になった。
同工業会は毎年1月と7月に、正会員会社74社を対象として出荷ベースの需要予測を実施、集計分析した結果を2月と8月に発表している。前回2月の予測では、09年度上期の出荷金額は8379億円、下期は8097億円で通期では1兆6476億円だった。
この数字は、上期に関しては1兆2324億円の実績があった08年度上期に比較すると大幅な減少ではあるが、世界金融危機を受けて需要が激減した08年度下期の7434億円に比べると、輸出を中心に世界需要は底を打つだろう、という見通しだった。
ところが、今回の予測では、足元の09年度上期について出荷金額を約2700億円引き下げ、5668億円と前年度の半分以下にまで減額。また、下期についても約2400億円を引き下げて5702億円とした。従来の期待に反して、需要の底ばいが09年度いっぱい続く、とする悲観的な見通しに転じた。
さらに底打ちを予想する10年度についても、上期6537億円、下期6735億円と、前回予測の09年度の水準より2割も低い。09年度は想定以上に落ち込み、10年度は回復に向かうものの、その出荷金額の水準はきわめて低い、という内容だ。