ハリウッドで活躍する“アラサー”日本人たち《ハリウッドフィルムスクール研修記3》



 ちなみに私も大学院の授業で演技の授業を取らされたのですが、説明するまでもなく、英語のネイティブではない日本人にとっては悪夢のような授業でした。台詞を覚えるのにもネイティブよりはるかに時間がかかりますし、即興では相手の言っていることが聞き取れないというありさま。

そんな環境で、主演に加えて監督・脚本まで自ら務めた北村さんですが、製作後には配給会社が見つからず、出資者からのプレッシャーもあり大変なストレスだったそうです。寿司屋のアルバイトで食いつなぎながら、映画の売り込みや、役者のオーディションを受ける日々が続きました。

その後、ケーブルテレビへの出演やヨーロッパ映画の主演などを通じて、「おとなしくて礼儀正しい日本人」のイメージを壊す大胆な演技が評判となり、この9月から放送予定の超人気ドラマシリーズ「HEROES」に大抜擢。日本での芸能界経験がない俳優のハリウッドメジャー作品デビューは快挙であり、このニュースはmixiのトップページや、日本のヤフーでも取り上げられました。

北村さんは、ロサンゼルスの日系コミュニティではもともと有名な存在。「短編映画なんて作っていても意味が無い。長編で勝負しろ」「アメリカ人と同じことをやっていてもハリウッドでは勝ち目がない。彼らの度肝を抜くようなものを作らなきゃ駄目だ」と自ら称する“ビッグマウス”で、映画を学ぶ大学生たちを鼓舞してきました。
 
 その彼が、現在進行形でアメリカンドリームをつかもうとしている姿は、同世代である私にも大変なインパクトがありました。

ただ、アメリカでは“マイノリティ”である日本人の現実も理解しているのが彼の強み。日本人俳優として、まずハリウッドで目指すのは大作映画の「助演男優」であり、同時にSpecialty Film(※)では主演を務めること。そこで築いたブランドで日本映画に出演することも見据えており、彼の“日本進出”にも期待が高まります。

アート性や実験性の高い小・中規模映画。大手スタジオのSpecialty Film部門として20世紀FOX傘下の「Fox Searchlight」やユニバーサル傘下の「Focus Features」などがあり、アカデミー賞の常連である。

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