富士ゼロックスが「アイデア公募」を行う理由 将来に向け、イノベーションをどう起こすか?
複写機大手の富士ゼロックスは、50年以上の歴史を持つ業界の名門企業。それが昨年12月、創業わずか4年目、社員数5人のベンチャーと協業し、あるプロジェクトを開始した。
その内容はビジネスアイデアの公募だ。アイデアの公募自体は昨今さまざまな企業が行っているが、方法は他社とは異なるものだった。
公募で活用するのは、ベンチャー企業のA(エイス)が提供するプラットフォーム「Wemake(ウィーメイク)」。Wemakeには約1万人のコミュニティがある。コミュニティには一般消費者のほかに、企業や大学で経験を積んだプロダクトデザイナーが登録されている。
コミュニティからアイデアを吸い上げる
大まかな流れはこうだ。まず、企業から出されたテーマを基に、コミュニティ内のデザイナーを中心としたメンバーがコンセプトを投稿する。それに対し、消費者は投稿案に対してコメントを送り、気に入った案に投票することができる。投票によって選ばれた案は消費者からのコメントやメーカーからの意見を基に改善され、優秀なものは商品化まで進む。
商品化された場合、メーカーから分配金が支払われ、それが投稿者や消費者に還元されるという仕組みだ。エイスは、プロジェクト運営費や製品化時のロイヤルティ収入という形で収益を得る。製品企画の立案からその改善、絞り込みまでを1つのコミュニティ内で行えるのが特徴だ。
今回、富士ゼロックスが募集したコンセプトは「価値あるコミュニケーションを実現する近未来のソリューション」というものだった。
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