米国が日本を見捨てて中国と組むことはない--ジョセフ・S・ナイ ハーバード大学教授

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 第三に、日米同盟は疫病やテロ、破綻国家からの難民の流出といった、両国の利害にとって極めて重要な新しい課題にも取り組まなければならない。中でも特に重要なのは、地球温暖化による脅威である。この分野では日本が強みを発揮できる。

一部の日本人は日米同盟の安全保障の内容が不平等であると不満を漏らしているが、こうした新分野において日本は強力なパートナーである。アフリカからアフガニスタンに及ぶ地域への開発援助、世界の保健プロジェクトへの参加、国連支援、海賊掃討作戦への参加、エネルギーの効率化のための研究開発の取り組みで、日本は最前線に立っている。

現代のこうした課題を前提とすれば、世界全体に恩恵をもたらす国際的な公共財の提供において、日米は協力し、対等なパートナーシップを形成することができるだろう。それこそが、私が日米同盟の将来に関して楽観的な理由である。

Joseph S.Nye,Jr.
1937年生まれ。64年、ハーバード大学大学院博士課程修了。政治学博士。カーター政権国務次官代理、クリントン政権国防次官補を歴任。ハーバード大学ケネディ行政大学院学長などを経て、現在同大学特別功労教授。『ソフト・パワー』など著書多数。

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