『厚生労働省崩壊』を書いた木村盛世氏(医師、厚生労働医系技官)に聞く

--これも、タイトルにある「崩壊」現象の一つですか。

外科手術でも患部をきれいに取り除かないと新しい肉芽というのは上がってこない。壊れてしまった組織は一度きれいにしないと新しいものは生まれない。そういう意味合いを込めて崩壊という言葉を使った。

--大規模な人事替え、組織替えが必要と。

そう。現状では絶望的だ。トップレベルに国全体を考える情熱を持った人がいない。残念ながらそうでない人たちがトップにいる限りは新しい芽が生まれてこない。医系技官は約600人いるが、若い人たちがすぐ辞める。臨床現場を知っている人を常時入れないと変化は無理だ。

--ご自身は、専門が米国仕込みの感染症疫学で、現在は検疫官ですね。

ものをはっきり言うからか、飛ばされて検疫所支所にいる。与えられた職場で粛々とやるが、恩師の疫学の大家カムストックに言われた。「何事も人生で無駄なことはない」と。

(聞き手:塚田紀史 撮影:今井康一=週刊東洋経済)

きむら・もりよ
専門は感染症疫学。筑波大学医学群卒業。米国ジョンズ・ホプキンス大学大学院修士課程修了。同大学デルタオメガスカラーシップを受賞。米国CDC(疾病予防管理センター)、結核予防会を経て、厚生労働省へ。

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