『厚生労働省崩壊』を書いた木村盛世氏(医師、厚生労働医系技官)に聞く

『厚生労働省崩壊』を書いた木村盛世氏(医師、厚生労働医系技官)に聞く

--この本の副題は「『天然痘テロ』に日本が襲われる日」です。

日本はあまりにバイオテロに無防備な状況にある。これでは国民が守られないし、国自体を危険にさらす。これに対して警笛を鳴らした。

天然痘ウイルスのみならず、いまや生物化学兵器がつくられている。日本はオウム真理教によるバイオテロというショッキングな経験をした。それは「貧者の兵器」といわれ、普通の家庭の台所が一つあればできてしまう。

根絶したはずの天然痘に関して言えば、アメリカとロシアの研究所にウイルスが残されたが、それが流出している。日本はあまりに平和ボケだ。天然痘は必ずワクチンで撲滅できるから、全国民に打つか非常時のトレーニングをしておけば、日本を守ることはできる。「カクテル兵器」となると話は別だが、最低限度それをして、テロを寄せ付けない強さを示すべきだ。ところが厚労省はうちのやることではないという考え方だ。

--今回のインフルエンザ騒動から見えてくることは?

日本は公衆衛生が遅れている。なぜ日本はそういわれるのか。検疫態勢はどうだったか。病院の連携や市民がパニックになったときの経済損失、それにそもそもどういう病気に備えるべきかなど、今回の騒動を契機に徹底的に洗い直したらいい。

厚労省は行動計画をつくっていたが、インフルエンザが流行する中で、その内容を変えてしまった。しかしその理由はホームページを見てもわからない。今まで検疫オンリーで水際で阻止するというのをやめた。どういう理由でやめたのか、厚労省ははっきり説明をしてしかるべきだ。

毎日これだけの多くの人が移動する時代に、潜伏期間のあるものをシャットアウトするなど無理にきまっている。感染症法や検疫法の見直し、その壁の取っ払いは当然行われるべきだが、一体化した特殊感染症法といったもの、あるいは地方自治体の保健所を活用する新国民保護法といったものもあっていい。そうでなければ、国民を守れない。責任者不在がいけない。

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