電炉に強まる逆風、原料高と高炉の侵食

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 昨年来の需要激減で、国内全28基のうち、4基の高炉が休止に追い込まれた日本の鉄鋼業界。底なしの需要減退も危惧されたが、粗鋼生産量は2月の548万トンを底にして、6月は689万トンにまで回復。8月初旬には休止中の高炉1基に再び火が灯されようとしている。

「国内景気は総じて底入れの兆しが確実なものになってきている」。日本鉄鋼連盟の宗岡正二会長(新日本製鉄社長)は7月22日の会見で、ひとまず安堵の表情を見せた。6月も依然として前年同月比3割超の減産が続くが、マイナス幅は月を追うごとに縮小。新日鉄単独の7~9月の生産量は650万トン(4~6月比4割増)を見込んでいる。

回復の背景には、ユーザーの在庫調整一巡による需要の戻りがある。エコカー減税やエコポイント導入の追い風もあり、鋼材受注は自動車や電機向けが牽引。3月を底に漸増傾向にある。

建築不況の影響が深刻

とはいえ明るい兆候ばかりではない。宗岡会長も「国内景気は明るい部分と暗い部分とが交錯する」と語る。

たとえば産業機械業界。企業の設備投資の落ち込みが響き、5月の受注額は前年同月比4割減で10カ月連続のマイナスとなった。建設機械も同7割超の減産が続く。

一段と深刻なのが建築分野だ。景気悪化で5月の新設住宅着工戸数は前年同月比3割減となり、5カ月連続の2ケタ減となった。土木を含めた建設用受注も、依然として底ばい状態のままだ。

こうした影響がより深刻なのは、高炉メーカーよりも電炉メーカーである。鉄スクラップを溶かして鋼材を生産する電炉メーカーにとって、主戦場はまさに建築分野に使われる鋼材。業界最大手の東京製鉄をはじめ、軒並み能力比で4~5割水準の低操業が続いている。

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