プリウス・バブルの副作用、絶好調の裏で始まったトヨタの“内なる崩壊”


 トヨタは国内で290社・4800の販売店を抱えるが、ホンダや日産自動車は新車需要の低迷を受けて、系列ごとにすみ分けていたチャネルをすでに一本化済み。トヨタは販売店と資本関係がないゆえ、再編に手をつけづらかったとはいえ、人口減が進む中、販売店・チャンネル数とも多いことは明らかだ。

当然、トヨタでも再編をにらんだ試みは始まっている。国内営業の常務役員には、従来のチャネル別に加え地域別の担当をも兼務させ、各地の状況に合った営業を強化。系列を超えるべく、北海道や長野では共同店舗を、横浜など都市部では大型SC内にオートモールを新設した。今年末にはハイブリッド車第2弾「SAI」がトヨタ系全店で販売される。こうした動きが加速すれば、チャネルの意義はいや応なく薄れていく。

「秋から年末には方向性を出したい。販売店同士は利害関係があり、われわれが行って、踏み出せないところは調整しないと」。あるトヨタ役員はそう漏らす。トヨタ車同士の食い合い、トヨタ系列同士のたたき合い……と相次いだ誤算。1車種のみの突出した成功は全社の工場稼働率に与える影響も限定的だ。プリウスバブルの陰で、トヨタの“内なる崩壊”が着々と進行しつつある。


(週刊東洋経済)
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