兄が中学受験全敗、弟にどうさせればいいか 親として気を付けるべきこととは?

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南田様の今のお悩みは、2つですね。ご次男がもしまた、ご長男の時のように結果が出なかったら本人がかわいそうで、それを考えるだけで自分も涙が止まらないほど不安になること。もうひとつは、首尾よく次男が合格した場合、その学校に行けなかった受験年を迎える長男が不憫だという問題ですね。

2人以上の子供を受験させた親御さんの中には、このような問題で悩まれた方は少なくありません。これはあなたの特殊な悩みでないことはわかります。そのことを理解したうえで申し上げますが、あなたの考え方が余りにもマイナス思考すぎます。そして、一緒に育児されておられるご夫君の育児方針に、私は全面的に賛同します。ご夫君も同じようなご懸念が、ご心中に無くもないと思います。でもそれは表に出してはいけないことで、子供さんの挑戦を見守るのが親の務めです。

親のマイナス思考で足を引っ張ってはいけない

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よいお手本がそばにあるのです。あなたの今のお悩みの解決の最大の鍵は、あなたご自身の心の持ち方を、もっとポディティブにすることだと感じました。子供さんが帰宅するまでに、あなたは心を切り替えるよう努力なさっておられるとのことですが、子供は敏感です。長男への下手な同情、それを含めての次男の受験へのマイナス思考は、結局2人から見れば、あなたは「ウザイ」存在になりかねません。このような心理状態は息子さんたちに伝わるもので、なんの応援にもなりません。

あなたがご次男に受験を止めさせようとされた理由が、縁起でもないことですが、万が一、不首尾に終わった場合に、またまた次男が不憫だという理由からでしょうか? あるいはご自身が、まずその不安から逃れたかったからでしょうか? 長男の心情をおもんばかってでしょうか?

いずれにせよ志望校が決まり、自主的に志をもって頑張っておられるご次男に、塾を辞めて公立に行くことを母親が勧めたのは、賛成できません。これからの息子さんの人生で、数えきれないほど待ち受けている挑戦の第一歩です。挑戦せねばならないたびに、それを避けて通ることは不可能です。ならばこの年代から、本人が挑戦したいと思ったことにはどんどん挑戦させ、その環境を整えることで応援するのが親の務めです。

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