日米航空交渉、4年越し決着でも燻る"火種" 問題は2国間の交渉だけではなかった
長年の懸案事項が、ようやく“離陸”のときを迎えようとしている。
2月18日、日米当局間の航空交渉が合意に至り、昼間の羽田空港から米国行きの便が飛ばせるようになった。両国の航空会社は昼間(6~23時)に1日5便ずつ、深夜早朝(22時~翌日7時)に同1便ずつの運航が可能になる。今年10月末から始まる冬ダイヤをメドに就航する見通しだ。
羽田のような混雑空港の場合、発着地がある2国間で、どこに何便を飛ばすかを事前に決めなければならない。2014年に羽田の昼間の国際線発着枠が増えた際、日本側は増枠分の一部を米国に割り当てようとした。だが、4年余りにわたって合意に至らず、交渉が停滞していた。
新たなドル箱へ、期待は高まる
現在、羽田の日米路線は、全8便が深夜早朝の発着。2010年に羽田の国際線が再開したときに決まった枠で、行き先は米西海岸とハワイのみだ。
米東海岸は飛行時間と時差の関係から、出発と同じ時刻に現地に到着する。つまり、現行の深夜出発だと到着も深夜となり、到着後の移動や乗り継ぎが不便なのだ。実際、米アメリカン航空が羽田─ニューヨーク便を2011年2月に就航したが、旅客数低迷で2013年末に撤退。発着枠を返上した。
今回の合意で、米国便に昼間の枠が割り当てられ、昼間に到着する東海岸便が可能となった。ニューヨークやワシントンDCなど経済や政治の中心都市が集積し、多くのビジネス需要が見込める。
これまで東海岸へ向かうには昼間の便がある成田空港まで行く必要があったが、都心に近い羽田から飛べることで便利になる。地方からの乗り継ぎもしやすくなる。新たなドル箱路線にと、日米の航空会社は期待を寄せている。
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