玩具はやっぱり不況に強い? 08年度の玩具市場は前年度比1.2%減と踏ん張る
昨年のクリスマス商戦では各社軒並み2ケタ減、と惨敗が伝えられた玩具業界だが、2008年度(08年4月~09年3月)の市場規模は前年度比1.2%減で踏みとどまったようだ。
「東京おもちゃショー」の開催(7月16日~19日)に先立ち、(社)日本玩具協会が発表した調査結果によれば、08年度の国内の玩具市場規模は6636億円で、前年度比98.8%。4年ぶりに前年を上回った07年度からは一歩後退となったものの、深刻な不況にあえぐ他業界に比べれば、傷は浅いといえるだろう。
今年に入ってからは上向き傾向が続いており、「4、5月以降は店頭も活気を取り戻して前年同期比プラスに転じている。今年度は昨年度を上回ると見ている」(高須武男・玩具協会会長/バンダイナムコホールディングス会長)といった強気の発言が聞かれるなど、「不況に強い玩具」を印象づける結果となった。
08年度の市場の最大の牽引役はカードゲームだった。「デュエル・マスターズ」(タカラトミー)、「遊戯王」(コナミ)の2強をバンダイの「バトルスピリット」が新参として追い上げる形で人気は持続しており、07年度に続き4割成長となった。売り上げ規模は761億円で、玩具全体の1割強を占める規模になっている。
女児向けは全般に苦戦しているものの、唯一好調なのが、「女児ホビー」というセグメントで、こちらは37%増の伸び。なかでも、「クッキングトイ」と呼ばれるジャンルが好調で、アイスクリーム、巻き寿司、キャラメル(写真)などなど08年度中には主要4社(セガトイズ、タカラトミー、バンダイ、メガハウス)で37点(前年度は10点)が発売された。「親子でコミュニケーションしながら作り上げる楽しさを味わえるうえ、実際に食べられるという実用性も人気の要因」(玩具協会)と分析している。
一方、苦戦が目立ったのは、ぬいぐるみ、雑貨(バラエティ、ギフト)、男児玩具のラジコン関連、女児キャラクターなど。