アジア太平洋地域の航空会社は需要減で不振が続く《ムーディーズの業界分析》

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 需要低迷の影響を緩和するため、同地域の航空会社はコストと輸送能力を削減している。たとえば、ニュージーランド航空は、輸送能力を14% 削減することで、2009 年5 月の旅客数は前年同月から85,000 人減少したにもかかわらず、ロードファクター(座席利用率)は2% 改善したと述べている。同期間に、カンタス航空のロードファクターは2% 低下した。同社の旅客数の減少は、ニュージーランド航空より小幅だったが、これまでのところ能力削減計画の一部しか実施していない。

日本国内市場は、JALI とANA の2 社の寡占状態であり、両社は一定水準のサービスを提供する義務がある。したがって、国内線の供給力の削減には限界がある。一方で、国際線の能力削減の効果は出ているといえる。JALI とANA のロードファクターは国内線で約9% 低下したが、国際線では改善、または若干の低下にとどまった。ムーディーズが格付け要因として重視する指標の一つとして、航空会社の労働効率がある。これは、RPKをフルタイム相当従業員数で除して算出される。日本では現在、人件費を削減したANA の方が、JALI に比べて効率的なコスト構造を有している。しかし、ANA は、これまで機体数も増やしており、同社の有利子負債対キャピタリゼーション指標は一時的に83% まで高まった。これは、ムーディーズが格下げ要因としている75% を上回る水準である。

オーストラリアでは、海外航空会社との長期にわたる競争激化を要因として、カンタス航空の旅客キロ当たり旅客収入(イールド) が減少している。ドバイのエミレーツ航空とエティハド航空、米国のデルタ航空、英国ヴァージン・ブルーの「V オーストラリア」が、余剰能力をオーストラリア市場に振り向けている。

これらの市場で航空会社が受ける圧力の影響は、それぞれ異なる形で現れているが、同地域の格付け対象航空会社は、継続的に共通の課題に直面している。燃料コストの上昇傾向、企業の出張費削減、個人旅客の支出の引き締めを背景に、アジア太平洋地域の航空会社が厳しい事業環境からの影響を近い将来、払拭できる可能性は低いであろう、とムーディーズは考えている。

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