武田薬品が新薬承認延期で大打撃、決意の方針転換

武田薬品が新薬承認延期で大打撃、決意の方針転換

稼ぎ頭に暗雲が立ち込めてきた。武田薬品工業は6月27日、米国で販売許可を申請していた糖尿病新薬の承認が先送りされたと発表した。米食品医薬品局(FDA)から追加試験が必要との通知を受けたため。試験には約2年かかるとみられ、米国での新薬発売は早くても2012年にずれ込みそうだ。

糖尿病新薬「SYR‐322」は現在発売中の「アクトス」の後継薬。武田にとっての糖尿病薬は最主力品であり、アクトスの売り上げは08年度の全社売上高の約4分の1の3870億円にも上る。

その売り上げの8割を占めるのが米国市場だ。だが、11年1月に米国での特許は満期を迎える。米国では薬の価格を企業が自由に決められるため、特許切れと同時に安価な後発品が市場に出回る可能性が高い。そのため、なるべく早く新薬の承認を取り付け、アクトスから販売を切り替えるのが武田の狙いだった。

即効策としては欧州や中南米など販売地域を拡大するほか、アクトスと既存製剤との合剤を発売する。「(他の新薬開発のための)企業買収も含め、あらゆる選択肢を排除しない」(同社)というが、最大市場で主力新薬の発売が遅れるとなれば、業績への影響は避けられそうにない。

スピード重視を反省

だが、武田にとって今回の承認先送りは覚悟のうえだったといえる。2年前に米国で新薬を申請した後、FDAは糖尿病審査のガイドラインを厳格化。その後、水面下で追加試験を要請されていた。

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