再編が急加速する薄型テレビ業界、次は赤字企業の淘汰か

基幹部品であるパネルの生産をめぐって、薄型テレビ業界の再編が加速している。

昨年12月、シャープと東芝が液晶パネルと半導体の相互供給拡大で提携したのを皮切りに、松下電器産業が液晶パネル製造合弁会社IPSアルファテクノロジの子会社化を発表。今年に入ると、シャープとソニーが大阪・堺に建設する新工場におけるパネルの共同生産で合意するなど、目まぐるしい動きを見せている。

背景にあるのは、パネルの需給逼迫だ。昨年は、自社で液晶パネルを生産していないテレビメーカーにとっては、大苦戦を強いられた年だった。台湾、韓国のパネルメーカーが、これまで供給過剰で低採算が続いていたテレビ用パネルの増産を抑えたため、拡大するテレビ需要に供給が追いつかなくなったのだ。液晶テレビのボリュームゾーンである32■のパネル価格は、これまでの右肩下がりから一転して上昇に転じ、テレビの価格も昨年秋に完全に下げ止まっている。

パネルの供給不足によって、テレビメーカー各社が被った影響は小さくない。松下は期初に掲げた2007年度の液晶テレビ販売計画400万台が、未達に終わる可能性が高い。中堅AVメーカーの船井電機は計画どおりにパネルを調達できず、赤字に転落する見込みだ。

黒字は松下、シャープ、他は大手でも赤字

液晶テレビの世界市場は今後も拡大が続く。それだけに、テレビメーカー各社は、製品の玉不足によるシェアの低下を避けるため、各社一斉にパネルの安定調達先の確保に動いたのだ。

松下はIPSアルファを子会社化するだけでなく、兵庫県姫路市に約3000億円を投じて新しく工場を建設する。ソニーもこれまでは韓国サムスン電子との合弁会社から主にパネルを調達してきたが、シャープとの共同生産によって、大型パネルをより有利な条件で安定調達できる第二の供給源を確保し、液晶テレビ事業の拡大に拍車をかけようという腹積もりだ。


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