藤野:年中行事のようにギリシャ問題がまたぞろ復活する恐れもありますしね。
中野:ただ、マイナス金利にしたのにマーケットに打ち破られて、今のような株安、円高になると、当面、株高、円安に向かわせるきっかけを失った気もします。
藤野:第3四半期決算の発表がピークですが、輸出ハイテク企業の下方修正で厳しい状態にあります。リサーチをしても、1~3月期の数字がボロボロです。為替が想定レートよりも円高になっており、為替差損を被るリスクがあるのは事実ですが、それ以前に需要が大きく後退している。大きな企業は非常に厳しいですね。大手ハイテク株、銀行株は軒並みダメ。薬品、食品のような内需のディフェンシブ株や、中小型株は相対的に悪くない。そういうところにおカネが徐々にシフトしていくのだと思います。
ただ、僕自身はそれほど未来に対して悲観してはいません。今回の株価下落も、昨年秋くらいからの景気後退の流れによるものだと思っていて、これはあくまでも景気循環だから、どこかで再び戻ってくるはずです。そこはマーケットの先見性に期待したいところです。
中野:原油価格は相変わらず安いのですから、どこかの段階で、それが企業業績にとってプラスの効果をもたらすことにもなるでしょう。
企業発行ポイント、イノベーションに注目
渋澤:トラックとかバスなど輸送業にとっては大いにプラスですね。あと、マイナス金利がしばらく続くと、今度は企業が発行しているポイントに対する関心が高まる可能性もあります。
藤野:次の相場で主役になるのは何か。これを考えて、安いところで仕込むのも、面白いと思います。たとえば今、私が注目しているのは「e-スポーツ」という分野です。早ければ1年後、遅くても2~3年後には大きな流行になるでしょう。100兆円程度の市場規模になると見ています。ネット上の対戦ゲームで、ゲームの種類は格闘技でも何でも良いのですが、バーチャルな世界で行われる試合にスポンサーが付き、試合の勝者には賞金も支払われるというものです。
要はアキバのオタクが、プロゲーマーとしてヒーローになれる時代が、いよいよ間近に迫ってきています。こうしたイノベーションは、どれだけ株価が下げていようとも、人々が快適で楽しく豊かな生活を送りたいという気持ちが続く限り、常に進化していきます。そういう進化に貪欲な企業を見つけて投資するのが、長期投資の醍醐味でもあります。
中野:まさに現代の産業革命前夜ということなのかも知れませんね。
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