●正しいお酒との付き合い方
ではどのように飲むのがよいのか。結論を言えば、ここまで書いてきたことを知った上で、上手にお酒と付き合うしかない。酒好きには耳の痛いことかもしれないが、ストレスマネジメントには大切なことである。まず、ストレス解消のためだけに飲まないこと。大事な仕事に取り掛かっている最中や残業が続く時期にはむしろ我慢すべきだ。疲れたなら帰宅後にはゆっくりと入浴し、カフェインの少ない飲み物で気分転換をしよう。お酒で睡眠の質と翌日の気分を悪くしては、ビジネスで負けてしまう。重要な案件がひと段落してから存分に飲めばよい。
飲む日と飲まない日を決めよう。明日を気にしなくてよい時にこそ、心置きなく飲める。週末だけ飲むことにしてもよい。疲労回復とよい睡眠のために、せめて一日おきにしよう。
お酒は美味しい食事と同じように楽しむべきものだ。人付き合いをするよい機会になり、楽しく酔えば会話も弾む。取引先の相手と親しくなるには格好の潤滑油になるだろう。
前向きな理由を設けてお酒を飲むようにするのだ。仲間と懇親を深める、夫婦で楽しい時間を過ごすなど。もしも、その理由が後向きだとすると、背後には心を悩ますストレスがあるはずだ。お酒では解消できないと心して他のストレス対処の方法を考えよう。
毎日大量に飲まずに居られないなら医療機関を受診しよう。飲まないと眠れないと思う場合にも医師に相談すればよい。
お酒は百薬の長といわれる。しかし、お酒には誤解や落とし穴が多い。お酒の商品開発はどんどん進み、工夫された宣伝はビジネスパーソンの心を捉える。だが、流されるままお酒を飲み続けるリスクと代償は大きい。お酒の良い面、悪い面をしっかりと理解した、大人としての飲み方が大切なのだ。
次回はビジネスパーソンの活力を阻害する不眠への正しい対処を紹介しよう。
亀田高志(かめだ・たかし)
(株)産業医大ソリューションズ 代表取締役社長/医師(HP: http://www.uoeh-s.com/)
1991年3月産業医科大学医学部医学科卒業。日本鋼管病院勤務、NKK(現JFEスチール)産業医、日本アイ・ビー・エム(株)産業医、IBM Asia Pacificの産業保健プログラムマネージャーを経て2005年7月より産業医科大学産業医実務研修センター講師。2006年10月に産業医科大学による(株)産業医大ソリューションズ設立に伴い現職。企業のメンタルヘルス対策に関するコンサルティング、様々なメンタルヘルス研修会の講師に加えて、産業医科大学における企業向けメンタルヘルス対策支援事業を担当。
著書は『人事担当者、管理職のためのメンタルヘルス入門』(東洋経済新報社)。その他、日経ビジネスオンライン『事例で学ぶメンタルヘルスのツボ』、Work(リクルートワークス社)『健康経営のココロ』を共同執筆。
(株)産業医大ソリューションズ 代表取締役社長/医師(HP: http://www.uoeh-s.com/)
1991年3月産業医科大学医学部医学科卒業。日本鋼管病院勤務、NKK(現JFEスチール)産業医、日本アイ・ビー・エム(株)産業医、IBM Asia Pacificの産業保健プログラムマネージャーを経て2005年7月より産業医科大学産業医実務研修センター講師。2006年10月に産業医科大学による(株)産業医大ソリューションズ設立に伴い現職。企業のメンタルヘルス対策に関するコンサルティング、様々なメンタルヘルス研修会の講師に加えて、産業医科大学における企業向けメンタルヘルス対策支援事業を担当。
著書は『人事担当者、管理職のためのメンタルヘルス入門』(東洋経済新報社)。その他、日経ビジネスオンライン『事例で学ぶメンタルヘルスのツボ』、Work(リクルートワークス社)『健康経営のココロ』を共同執筆。
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