■5月19日 広告の「地産地消」を考える
マスメディアの功罪とはなんだろうか。高度成長期においては、国民の消費意欲を大いに刺激し、GNP上昇に貢献した。しかし、もはや時代は変わったのではないか。活字メディアの苦戦が伝えられて久しい。テレビもほとんどの局が赤字。広告業界もしかり……。新しい動きを模索しなければならない時期に差し掛かっているのだろう。
マスメディアの“功”の一つは、全国津々浦々に一律の価値観を流布したこと。そして、消費を刺激し、経済を成長させたことが挙げられる。一方の“罪”は、狭い国土の中で暮らす日本国民を、金太郎飴的な存在にしてしまったことである。
時代は変わり、消費志向は細分化した。金太郎飴は様々な価値観を持ち、各々独自の消費性向を持つようになった。しかし、マスメディアだけが相も変わらず、一律の価値観を振りまいている。東京発の価値観を全国津々浦々に発信し続けているではないか。
ある知り合いのマーケターは、「その影響を受けていないのは、京都・沖縄ぐらいではないか」と語る。筆者はそれに、独自のテレビ番組も多い大阪ぐらいは加えていいのではないかと思うが、いずれにしても、少数派であることには同意する。
その京都で、気になる広告を目にしたのは、今年の初めだった。
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