トヨタ、今期純利益を200億円上積み 工場稼働停止の影響織り込まず
[東京 5日 ロイター] - トヨタ自動車<7203.T>は5日、2016年3月期通期の連結業績予想(米国会計基準)について、売上高と営業利益は従来のまま据え置き、3年連続で過去最高を見込んでいた純利益をさらに200億円積み増した。中国事業の改善を反映した。
ただ、愛知製鋼の工場爆発事故に伴う車両生産休止の影響は織り込んでいない。大竹哲也常務役員は決算会見で「現時点で業績への影響を見積もることは困難」と述べた。
通期純利益予想は前期比4.4%増の2兆2700億円(従来は2兆2500億円)。トムソン・ロイターの調査によるアナリスト26人の予測平均値は2兆4130億円で、会社側の修正予想はこれを下回る。大竹氏は純利益の上振れ要因である中国事業について、以前は販売が伸びても価格が低迷するなどで収益が厳しかったが、過剰生産しないなどといった「オペレーションの徹底により、収益性が上がってきている」と述べた。
通期の売上高は同1.0%増の27兆5000億円、営業利益は同1.8%増の2兆8000億円と過去最高を見込む。通期の想定為替レートは1ドル=120円(従来118円)、1ユーロ=132円(同133円)に見直した。中国合弁企業などを含む世界販売計画は従来の1000万台から1005万台に引き上げた。好調な北米では従来から2万台増やし、287万台を見込む。
15年4―12月期連結決算では売上高、純利益がともに過去最高を更新。営業利益も前年同期比9.0%増の2兆3056億円と過去最高だった。ただ、同年10―12月期は同5.3%減の7222億円と、四半期ベースでは14年1―3月期以来の営業減益となった。北米を除く主な市場で販売が減少。対ドルでの円安効果はあったが、ドル以外の通貨の取引が減益要因になり、為替変動の影響は差し引き50億円のプラスにとどまったほか、研究開発費などの諸経費増加も1100億円とかさみ、原価改善努力の950億円を打ち消した。
生産休止をめぐっては、1月に起きた愛知製鋼知多工場(愛知県東海市)での爆発事故により部品供給が滞るため、トヨタは2月8日―13日まで車両組み立て工場を停止する。15日から稼働を再開するが、早川茂専務役員は会見で「仕入れ先に損害、特別な費用が発生する場合には補償を検討する旨を伝えている」と話した。
(白木真紀 編集:山川薫)
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