輸入税撤廃が呼び水に、ワインブームに沸く香港

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日本のワインブームは景気後退で接待需要が急減し、一服感。対して今アジアでブームに沸くのが、上海でもなくシンガポールでもなく、香港だ。

ワイン小売り・卸専業のエノテカが2008年11月に出した香港店は、開店から3~4日間で初月の予算をあっさりクリアし、早々に単月黒字を達成した。「ボルドー、ブルゴーニュなどが人気で4万~5万円のものが出る。一度に100万円購入される方もいた」(エノテカ)。

ワイン愛好者が急増した理由は昨年2月のワイン輸入税40%の撤廃。香港の人にワインを飲んでほしいから、ではない。香港政庁、ひいては中国政府の狙いは、香港をロンドン、ニューヨークに並ぶ国際的なワイン市場とすることにある。

個人所得の上昇で今後中国のワイン輸入量が急増するのは確実。関税をゼロにし世界中のワインを集めることができれば、中国をはじめアジア諸国への輸出入業、保管業などで香港は潤う。その前段で、潜在的愛好者が顕在化した形だ。

エノテカも中国人や香港人の観光客が都心店舗で高額品を買う様子から、需要を察知し、出店機会をうかがっていた。結局、前期の香港店は予算の1.5倍を販売。5月から卸を開始し、2号店もほぼ決まった。中国政府だけでなく、エノテカにとっても香港は、“戦略拠点”になったといえる。

筒井 幹雄 東洋経済 記者

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つつい みきお / Mikio Tsutsui

『会社四季報』編集長などを経て、現職は編集委員。

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