与党議連「就活の"時期問題"は本質ではない」 自民党が考える「就職問題」の解決策とは

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この提言の主旨は、大きく分けて以下の3つです。

1.2017年卒採用において、採用選考時期を6月にする必要がある
2.就職・採用活動開始時期を設定することでは、本質的な問題解決にならない
3.就職問題の本質的な解決手法

 

順番に解説していきましょう。

「後ろ倒し」は不公正を拡大した

なぜ、2017年卒採用においては、採用選考時期を6月にする必要があるのでしょうか。

もともと文科省や内閣府は、開始時期を毎年変えることは朝令暮改であり、不要な混乱を招くと、2017年卒採用の時期変更には慎重な姿勢でした。

しかしこの提言では、2017年卒採用において、時期を変えるべきだと言っています。ここでポイントとなるのは、時期を変えるべき理由として、よく言われている「就職・採用活動の長期化を阻止する」だけではなく、「オワハラなど、採用活動の不公正化や不透明化が、社会問題として看過できないレベルになってしまった」「中小企業を中心に、採用活動の負担が企業の経済活動に影響するレベルになってしまった」ことが挙げられている点です。2017年卒採用も選考時期を8月に据え置くことで、この2つの問題がより悪化する可能性があるため、産業界の要請を受け入れてこの2つの問題を抑制することが望ましいとしているのです。

就職・採用活動は、時期を4カ月後ろ倒しにした初年度だったことで、4カ月長くなりました。また初年度である不安感から、企業も学生も過剰に採用・就職活動に時間を割きがちになったことは否めません。

しかし、提言で述べられている2つの問題は、企業の採用意欲が極めて高い現状では、縮小することは考えられません。「不公正・不透明」な採用はより緻密に行われ、「中小企業への影響」は、採用に真剣な企業ほど大きなダメージを受けるはずです。

時期設定は、必ず不正を生み出す

2つ目の「就職・採用活動開始時期を設定することでは、本質的な問題解決にならない」は、公の場面では今まであまり議論されていない、新たな視点といえます。今までは「いつがもっともいい時期なのか?」という議論がほとんどでした。

提言では、開始時期の設定という手段では、就職問題は解決しないと明快に述べています。なぜなら、開始時期を何月に設定しても、それ以前に採用活動をする企業は必ず水面下の活動をするようになり、それによって不公正、不透明な採用活動が引き起こされるからです。要するに、開始時期を設定するということは、それによって新たな問題を引き起こすことになるというジレンマを含んでいるのです。

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