対キューバ政策にも変化、オバマ政権の目指す外交戦略


 オバマ大統領は、4月29日に大統領就任100日目を迎えた。この100日の間、世界経済危機への対応に追われたが、外交政策でも大きな転換を図る姿勢が目立つ。

米国の裏庭と言われる中南米政策の転換も目指しており、4月17日から19日にアメリカ大陸の34か国が集まった米州首脳会議でも中南米諸国との新しい時代の幕開けを印象づけた。その象徴的な事例として長年、敵対してきたキューバとも雪解けの兆がある。

米国は1959年にフィデル・カストロが権力を掌握してから、キューバにさまざまな制裁を加えて、孤立化を目論んできた。カストロ政権の転覆を狙った61年のピッグス湾事件、その後の外交関係断絶、61年からの対キューバ禁輸政策、そしてキューバは米州首脳会議からも米国の圧力で除外されてきた。

オバマ大統領は最近になって、米国在住のキューバ人の故国への渡航と送金に関しては、規制を取り払った。禁輸は残っているが、それもいずれは取り払われると見られている。米国には150万人のキューバ人が住んでいるが、これはキューバの人口1150万人の1割にも達している。キューバへの制裁のために、米国のキューバ人は長くキューバに渡航することもかなわなかった。
 
 今回の米州首脳会議では、多くの会議参加国がこの禁輸政策に批判的だった。べネズエラのチャヴェス大統領、ニカラグアのオルテガ大統領も禁輸に反対してきたが、ブラジルのような米国の同盟国でさえ禁輸には批判的であった。

オバマ大統領は、禁輸政策は米国が想定した効果がないと考えているが、キューバの政治的自由が認められていない点を問題視して、すぐに禁輸を解くという姿勢ではない。ただし、中国に比べてキューバの方が政治的な自由は認められており、政治的自由を理由とした禁輸政策には、一貫性が失われていると言われている。

すでにオバマ大統領は米州首脳会議などを通じて明確なメッセージをキューバや中南米に送っている。つまりオバマ大統領は政策転換するつもりがあるということだ。

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