実は、「新興メディア」は成長が止まっている 冬の時代に突入したのを知っていますか?

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ほかにも、これらのパブリッシャーの成長率が低下していることを示す根拠はある。「Mashable」は2014年の売上目標が到達できなかったことが報じられている。そして、「BuzzFeed」は新たな雇用を控えると発言しているのだ。

2015年のクリスマスの直前にも、「Mashable」が3億ドル(約353億円)で売却されるというニュースが飛び込んできた。また、デジタルパブリッシャーのアトランティックメディア(Atlantic Media)にも、グローバルニュースを専門とする「Quartz」部門の売却の話もある。これはデジタルパブリッシャー業界の地固めが終わり、「ビジネスインサイダー」が独新聞最大手「アクセル・スプリンガー」に3億4300万ドル(約410億円)で売却されて半年経った後の話だ。

「もしあなたがこれらの企業を経営していて、納得のできる価値で売却ができるのであれば、今がそのチャンスだ」と、コンサル企業アドメディアパートナーズのマネージングディレクターであるセス・アルパート氏は話す。「もし私がこれらの企業のいずれかに投資をしていたとすれば、2016年にはその投資をやめていたい」とも付け加えている。

2番手以下には大きな痛手

インターネット上に過剰にパブリッシャーがひしめくため、ビジネス面での課題も、困難を極めている。広告のバイヤーたちはたくさんのパブリッシャーのなかから最適な取引を探すことができるが、選考に残らなかったパブリッシャーには痛手だ。

デジタルエージェンシー、デジタスLBi(DigitasLBi)のチーフコンテンツオフィサーであるスコット・ドナトン氏によると、以前は広告枠を買うために10社から20社ほどに広告掲載依頼書を送っていたというが、現在は2社か3社程度にしか送らないという。エージェンシーが取り引きを行う企業をすでに決めている場合もあると話している。

「誰も第2、第3候補になりたくはない。ほかのパブリッシャーと差別化を図ったり、革新的なコンテンツで目を引いたりしないと、この難題を突破することはとても難しい。小さなパブリッシャーにとっては難関だ」と、ドナトン氏は語った。

2番手集団以下のデジタルパブリッシャーにとって、2016年の冬は寒くなりそうだ。

(原文:Ricardo Bilton / 訳:BIG ROMAN)

※[日本版]編集部で加筆・編集

DIGIDAY[日本版]の関連記事
米老舗パブリッシャー、新興デジタル媒体に追いつく:ノウハウ取り込む「意識改革」
ジェフ・ベゾス体制の「ワシントン・ポスト」、Amazonのノウハウをネイティブアドに活かす
ニュースメディアが生き残るための「新しいルール」とは?:競合分析、ターゲット、情報流通

 

DIGIDAY[日本版]編集部

2015年9月1日にローンチした「DIGIDAY[日本版]」を運営。同サイトでは米「DIGIDAY」が日々配信する最新のデジタルマーケティング情報をいち早く翻訳して掲載するほか、日本国内の動向についてもオリジナル記事を配信している。メディアジーンが運営

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事