家庭より仕事優先の妻に「三行半」は当然だ 犠牲の覚悟なくして結婚生活は不可能

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加山様、ここで私があなたに、「今までの非を心から夫に詫び、夫に通じるまで訴え続けましょう」と申し上げるのは簡単です。

確かに世の中には、壊れた茶碗をより性能のよい接着剤で元に戻したり、覆水を上手くすくって盆に返したような夫婦の例がなくはありません。そして私は時々、私のアドバイスには一貫性がないと指摘されることがあります。それらを承知の上で申し上げますが、あなたの場合は、夫君を諦める方がよいと思います。

孤独よりもっと辛いこと

あなたにとっては、夫からの突然の離婚の申し出かもしれませんが、夫君からすれば少なくとも5年以上は悩み続けた結果でした。最低5年以上はいろいろな面で夫婦でなかったのです。そばにいる人と心が通じないのは、一人でいる孤独よりもっとつらいと言われます。

今あなたが経験しておられる絶望感をこの5年間、仕事に燃えるあなたを横目に、彼はずっと味わってこられたことが想像できます。「壁を一緒に乗り越える夫婦の力」も、最初はあったとしても、この間に彼の中では消滅しました。

突然刃物を突き付けるように切り出した彼は卑怯です。しかしそう出られるまで気づいていても何もせず、彼を思いやったり彼に寄り添う行動に出なかったあなたの責任も重大です。しかもその長い間、あなたは「夫」がいなくとも平気だったのです。夫婦の情がなかったと言い替えることもできます。この情や思いやりは、「仕事のメドがついた次に」小出しする種類のものではありません。

あなたも応分の責任を免れない理由です。あなたには突然でも、彼は時間をかけて悩み、今の結論を出しました。そのうち強力な接着剤が現れるかもしれませんが、ともかく今は、彼を諦めるべきだと思います。話し合うほど、傷つけあうパターンだと感じました。

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ミセス・パンプキン 『最強の人生相談』『一流の育て方』著者

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立命館大学卒業。ビジネスパーソン向けの家庭問題・人間関係・人生相談の専門家として、東洋経済オンラインで2012年より執筆。最新刊は『最強の人生相談』(東洋経済新報社)。息子であり、『最強の働き方』(東洋経済新報社)の著者であるムーギー・キム氏との共著に、『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』(ダイヤモンド社)がある。ミセス・パンプキンへの相談は、こちらのメール、あるいは相談受付サイトで受け付けています。なお相談件数多数につき、過去に類似する相談があった場合には取り扱いません。ぜひ、これまでの連載をご参照ください。男性からのご相談も歓迎しております!

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