グーグル「ブック検索」和解が拡げる日本出版界への波紋


 約2500人の作家が加盟する日本文藝家協会では「無断複写そのものが複製権への違反」(三田誠広副理事長)として、加盟者にデータを削除するよう勧める。参加諾否の通告には、オンライン登録など煩雑な事務作業が必要。今回の通知に「一方的すぎる」と不満の声も上がっている。

今回の和解内容は09年の1月5日までに出版された書籍が対象。その後発売される書籍について、グーグルから指針は示されていない。

グーグルの図書館プロジェクトに、日本から唯一参加する慶応大学は「コスト負担なしに、世界標準のプラットフォームにデジタル化したコンテンツを載せる意義は大きい」(杉山伸也・図書館長)と好意的だ。

一方、著作権問題に詳しい福井健策弁護士は「出版社のビジネスは結局、権利ビジネス。今回の和解問題を契機に今後、グーグルと著者の窓口となって、著作権を守り活用する方策を講じるべき」と指摘する。

グーグルによるデジタル化の大波は、今後も日本の出版界を揺さぶりそうだ。


(麻田真衣、許斐健太 撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済)
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