グーグル「ブック検索」和解が拡げる日本出版界への波紋


 今回の和解で、グーグルは米国内で著作権が保護された書籍でも、絶版本か市販されていない書籍ならばデジタル化して商業利用ができることになった。見返りとして、グーグルは商業利用で得る総収入のうち、63%を著作権者に支払う。また、これまでに許可なくデジタル化した書籍について、1作品につき60ドルを補償。著作権者はグーグル側にデータベースから書籍データの削除要請をすることも可能だ。

和解案は米国が対象で、書籍の閲覧は、当面のところ米国内からのアクセスに限られる。だが、和解の影響は米国にとどまらない。

2月24日、国内の新聞各紙にグーグルからの「法定通知」が掲載された。日本の著作権者は米国の図書館に蔵書があるかを調べたうえ、5月5日までに和解の諾否を通知しなければ、自動的に図書館プロジェクト「参加」と見なされる。米国の和解内容が日本にも及ぶのは、原告が利害関係者の全員を代表して訴える、「集団訴訟」という制度があるからだ。

この制度では、判決や和解の効力が原告のみならず利害関係者全員に及ぶ。そして日本の著作権者でも、国際条約では「利害関係者」と見なされるため、米国発の和解が日本に“飛び火”したのだ。

目前に迫る通知期限「一方的」と不満の声も

グーグルはコピー&ペーストの制限措置をとっているが、デジタル化によって予想外の不正利用が起きることを警戒する声もある。

日本では米国と違い、著者に著作権が帰属することがほとんどで、今回の和解は直接的にはグーグルと著者との問題になる。このため出版社が著者の窓口としてどの程度関与し、対応するかは各社によってバラツキがある。
(※東洋経済新報社では著者に通知したうえで対応を委ねる方針)

和解への参加を拒否した場合、書籍データの削除要請は不可能になり、著作権料なども受け取れない。そのため、ひとまず和解に参加したうえで、多くの出版社は対応について著者の判断に任せるとみられる。

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