円満な「主夫家庭」には、共通の心得があった 誰もが「昭和の母」にならなくてもいい

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太田:これまでは企業とか組織という箱に個人が合わせなきゃいけない時代だったのが、今は逆になっていますよね。多様な人に対して、周りの企業や環境が合わせないといけない。

白河:どこも人材不足ですからね。優秀な人を確保したかったら、柔軟な働き方を許容していくことが必要な時代です。だから家事・子育て専業の人が家に必要だというのは、いずれなくなるかもしれません。

お互いワークライフバランスよく、ほどほどに働いて、家事育児の時間もあって、選択の自由がある。その上で、この時期は専業主婦(主夫)を選びたい、という人がいるなら、それはそれでいいと思います。

「主夫」は振り切った提案ではあるが

太田:あと、後ろめたくない気持ちで選べるっていうのが大事ですよね。

白河:そうですね。女性はまだまだ「子どもを持ちながら仕事をしている自分が後ろめたい」という気持ちがあります。これが40年前からイクメンキャンペーンをやっていて、男女平等が実現している北欧だと、育児はどちらの役割という意識もありません。

「主夫」というのは振り切った提案ですが、男性でもやればできるし、そういう生き方を選ぶことだってある。選択肢を広くする意味で、専業主夫のことを書いてみたのです。男性がとらわれている役割意識の不自由さ、女性がとらわれている家事育児への息苦しいまでの負担感、そんなものから、お互いに協力して自由になっていけるといいですね。

太田:先ほどおっしゃったように、100%ありなんだけれども、ちょっと抵抗があるというか、昔ながらの役割認識は誰もが持っているじゃないですか。そういう認識は自分にもあるし、誰にでもある。そう認めていいんだよ、ということを言われて、ホッとしました。

白河:そういうふうに言っていただけるとうれしいですね。

 

前編:キャリア女が「主夫」を受容できない根本理由

(構成:ラリー遠田 撮影:名鹿祥史)

営業部女子課とは、主宰の太田彩子が2009年に立ち上げた、営業女子を応援するためのコミュニティです。女性営業職の活躍を拡げることで、結果男女ともに輝きながら働ける社会創造を目指しています。詳しくはこちらをご覧ください。
講演・セミナーのお問い合わせはこちら → kouen@yoshidamsaki.com
太田 彩子 「営業部女子課」主宰

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おおた あやこ / Ayako Ota

一般社団法人 営業部女子課の会 代表理事(「営業部女子課」主宰)。早稲田大学卒業後、リクルート・ホットペッパーの企画営業として社内表彰であるMVP制度にて表彰を複数回受ける。その後独立し、ダイバーシティプロジェクトや女性活躍支援に携わり、のべ5万人以上の女性営業を支援してきた。2009年より営業女子のための応援コミュニティ『営業部女子課』を全国で展開し、営業女子の活躍を目的とした勉強会やイベントを開催。NHK「グラン・ジュテ」や日本テレビ「news ZERO」、日経新聞などメディア出演多数。代表著書に『売れる女性の営業力』(日本実業出版社)、『1億売るオンナの8つの習慣』(かんき出版)、『営業女子 働き方の基本がわかる教科書』(プレジデント社)などがある。内閣府特命担当大臣表彰「平成28年度女性のチャレンジ賞」受賞。日本政府主催「WAW!2016」アドバイザー。株式会社ベレフェクト代表取締役。アライドアーキテクツ株式会社社外取締役。太田彩子ブログはこちら。営業部女子課サイトはこちら

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