精緻に分析すれば、日本はまだデフレである

気鋭のエコノミストが新指数を作成

「みずほ証券版CPIコアコア指数」の作成に際しては、この「主成分分析」をCPIの49種の中分類に対して行った。国語と算数の得点にあたるものが、「食品」や「耐久財」などの個別分類の物価変動である。

バラバラに動いているさまざまな品目の価格情報から、総合的な変動である「主成分」を抽出する。そして、その「主成分」がどのような要因で動いているのかを考察する。

CPIの35%は輸入物価(円建て)に連動

2000年以降のCPIの中分類に対して「主成分分析」を行うと、CPIの全体を総合的に説明するファクターのうち一番大きなものである第1主成分は「輸入物価(円建て)」と強く連動していることが分かった。

日本は原材料の輸入が多いことから「エネルギー価格」を中心とした国際商品市況の影響を受けやすいようだ。また、「円建て」の輸入物価と連動性が高いことから「為替」の影響を含んでいる。つまり、第1主成分は消費者物価指数の全体の変動のうち「輸入物価(円建て)を反映するファクター」のようだ。このファクターはCPI全体の動きの約35%を説明する。

21%は為替の波及効果、15%は賃金で動く

同様に、第2主成分(第1主成分で説明できない動きに対して主成分分析を行ったもの)は、ドル円レート(前年同月比)に9カ月遅れて連動性がみられた。

9カ月のラグがあることから、第1主成分では説明できない「時間をかけて円安(円高)が国内物価に波及する効果」が抽出されたのだろう。第2主成分は「ラグを持って波及する為替レートを反映するファクター」のようだ。このファクターは消費者物価指数全体の動きの約21%を説明する。

円安の効果が9カ月程度で現れるという結果は前述の日銀版CPIコアコアとドル円の相関関係と同じである。とすれば、2014年末から2015年初めに定着した1ドル=120円前後の円安の効果はそろそろなくなってくる可能性が高そうだ。

次ページデフレから脱却していない!
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • ニッポンの出産は安心・安全なのか
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
  • 令和の新教養
  • 読んでナットク経済学「キホンのき」
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
-

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
頂上決戦!ユニクロvs. ZARA<br>ファストファッション新時代

「フォーエバー21」が経営破綻し「H&M」も販売不振。世界のアパレル市場をリードするのは、首位を独走する「ZARA」と、猛追する「ユニクロ」となった。両社に加え、新興勢力の「ワークマン」「デカトロン」も含めた勝ち残り合戦を追う。