「ステマ対策」はアメリカでも始まっている 米FTCが厳格なガイドラインを発表

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なにより、ラベル表示に「アド」という言葉を使用しているパブリッシャーは皆無といっていい。ネイティブ広告会社ナッジ(Nudge)がパブリッシャーのネイティブ広告63件を調べたところ、もっとも一般的な用語は「sponsored(スポンサード)」で12.7%が使用。「presented by(〜による提供)」が9.5%、「sponsor story(スポンサー記事)」または「sponsored story(スポンサー記事)」が7.9%だった。

ガイドラインにもっとも抵触する可能性があるのは

「今回のガイドラインにもっとも抵触する可能性が高いのは、『アウトブレイン(Outbrain)』や『タブーラ(Taboola)』のようなコンテンツレコメンドエンジンだろう」と述べるのは、ネイティブ広告プラットフォーム企業、ポーラー(Polar)の創設者兼CEOのクナル・グプタ氏だ。「この2社は通常、『from around the Web(Webより)』と『recommended for you(あなたへのおすすめ)』というラベル表示で広告コンテンツを提供している」。

たとえば、タブーラのウィジェットは、「promoted」リンク、または「sponsored」リンクとラベル表示することが多い。同社の法務責任者であるシェリー・パイオフ次席法務顧問は、「業界標準の『AdChoices』アイコンによって、コンテンツが広告であることを示している」というが、「FTCの新しいガイドラインを踏まえ、現在の慣行を見直す」と語っていた。

一方、アウトブレインは、ウィジェットのラベル表示は、配信先のパブリッシャー次第だという。だが、社としては「Recommended by Outbrain(アウトブレインによるおすすめ)」と一文を加えるなど、ペイドリスティング枠であることをユーザーに明示してきたと述べる。

広告とわかるようにするには

ちなみに「ニューヨーク・ポスト」は、以下の画像のようなラベル表示が一般的であるため、調査が行われる可能性がある。

FTCは、「ニューヨーク・ポスト」のアウトブレイン枠に表示されているような「promoted stories」ラベルは誤解を招きかねないと述べている。

FTCは広告のラベルについて、明確に表現されているだけでなく、気づいてもらえるように(サイズや配置、色によって)十分目立っている必要があると述べている。SNS経由でネイティブ広告にたどり着くことも多いので、広告であることをしっかりと掲載ページに明示するよう求めているのだ。

「消費者は、さまざまな経路でネイティブ広告に行き着くため、そこへ繋がるリンクの周辺に、広告であることが目立つよう明示する方法が必要だ」と、FTCは述べている。

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