若者の「旅行離れ」は本当か? 求めているのは旅の“きっかけ”《特集・日本人の旅》

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 週刊東洋経済が実施したアンケートの「旅行に行って印象に残ったことは何か」という質問で、20代前半に最も多かったのは、「仲間と楽しく過ごせた」「友達とゆっくり話ができた」という回答だった。

石井教授は、「学生と話していても、かつての若者のように、どうしても旅に出たいという“飢餓感”を感じない」と話す。異郷に旅情をそそられるというよりも、友人と企画するお楽しみイベントの一つというのが、今の若者の旅の形なのかもしれない。

石井教授のゼミの男子学生はこう答えたという。「旅行には、友達に誘われれば行くけど、自分からは行かない」。行こうと思えばいつでも行ける環境のせいで、きっかけを見つけにくいのは確かだ。

ただ、そうした彼らも、卒業旅行の季節になると急に、あちらこちらから旅行の話題が上るようになる。最近の傾向は、ヨーロッパなどの海外を2週間以上旅するスタイルよりも、国内やアジアなど近場の海外に、それぞれ異なるメンバーで複数回行くパターンが多いという。「周囲の友人のモチベーションが上がっているので話がまとまりやすいのでは」(石井教授)。卒業旅行は、今の若者にとって重要な旅のきっかけとして機能しているようだ。

(週刊東洋経済)

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