「財政健全度」全国トップ200都市ランキング みよし市(愛知県)が3年連続1位に

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東名三好インターチェンジ付近(写真:northsan / PIXTA)

東洋経済新報社が全国の814都市を対象に毎年公表している「住みよさランキング」。6月20日に配信した総合評価トップ50都市には多くの反響が寄せられた。今回は、「財政健全度」のトップ200自治体ランキングを紹介する。

「財政健全度」は、都市の財政状況について、関連する14指標を用いて順位を算出している。これら14指標を「脱借金体質」「弾力性・自主性」「財政力」「財政基盤」の4つのカテゴリーに分類し、それぞれの分野で順位を算出するとともに、それらを総合した全体の数値を「財政健全度」として評価している(算出方法は最終ページ参照)。

今回のランキング作成にあたっては、主に2016年度の決算データを利用し、2018年6月18日現在の全国791市(他市と比較可能な指標が揃わない東京23区は除外)を対象としている。

みよし(愛知)が3年連続1位に

今年はトップ3が前回から全く変わらず、みよし市(愛知)が3年連続1位となった。みよし市は名古屋市と豊田市の間に位置し、豊田市や刈谷市と隣接。市内には自動車関連の企業本社や工場・事業所が数多く立地している。名古屋中心部への交通アクセスもよく、名古屋市のベッドタウンとしての側面も持つ。カテゴリー別では「弾力性・自主性」「財政力」で2位と、バランスの取れた、余裕のある財政運営がなされている。

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2位の武蔵野市(東京)は、都心部へのアクセスがよく、商業施設も集積しているため生活利便性が高い。住みたい街としても根強い人気を誇り、富裕層の住民も多い。「生産年齢人口比率」「納税義務者1人当たり課税対象所得」「地価上昇率(全用途)」の3指標で10位以内に入るなど財政基盤の強固さでは群を抜く。

3位の豊田市(愛知)は、トヨタ自動車本社が所在する、言わずと知れた自動車のまち。安定した地方税収入に支えられ2年連続のトップ3入りとなった。

一方で、2016年10月に市制施行し、前回ランキングでは17位に入った富谷市(宮城)は、今回32位と順位を下げた。経常収支比率上昇の影響が大きく、市が公表する「平成28年度財政状況資料集」では、市制移行により生活保護費など新たな経費が発生したこと、認可保育所への扶助費の負担が増加したことなどが経常収支比率悪化の要因としてあげられている。

借入金への依存度が低く、「地方税増加率」「人口増加率」「地価上昇率(全用途)」も高い水準を維持していることから、ただちに財政上の問題が生じる心配はないが、富谷市に限らず、人口増加は扶助費の増加や職員数の増加などを通じて、直接間接に義務的経費の増加をもたらす。人口増加が続けば各種施設の整備も必要となり、財政運営の面からはやはり負担となるだろう。

人口増加に向けた取り組みが全国で展開されているが、同時に、健全な財政を確保する努力も怠ってはならない。

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