ツイッターは「ヘイト」の連鎖を止められるか

米国外の最重要市場、日本法人トップに直撃

――フェイスブックの個人情報流出が記憶に新しいですが、ツイッター社としてはこの事件をどう受け止めたのでしょう?

フェイスブック、ツイッター、LINEなどは同じSNSというくくりで語られることが多いが、ツイッターはネットワークサービスではなく今起きていることを知る場、ニュースメディアに近い場とわれわれ自身は考えている。実際サービス上でも個人を特定する形を取っておらず、その点でフェイスブックと同じ土台に立っているわけではない。

もちろんサービスの形態にかかわらず、ユーザーにとって安心・安全は最重要だ。フェイスブックの件を受け、当社もユーザーの情報の扱い方について再度見直しを行い、セキュリティを強化していく方針だ。

健全性と透明性を開発の最優先事項に

――もう一つ、ツイッターの課題として注目されているのがヘイト投稿です。どう対策を進めていますか。

国内外のツイッター社員一同、決して誰もヘイトを「よし」とはしていない。一方で、表現の自由を担保しつつヘイトと向き合うのは、すごく難しい課題だ。特に日本では、これだけ多くのユーザーに使ってもらえて非常にありがたい反面、問題の多さも比例している。

ツイッターのジャック・ドーシーCEOはプラットフォームの健全性と透明性を重視する(写真:Twitter)

今年1月からは体制の強化を始めている。ジャック・ドーシー(ツイッターCEO)が昨年11月の経営会議で、プラットフォームの透明性や健全性をもっと可視化していこうという方針を打ち出し、今年からはそれが開発のトッププライオリティに位置づけられた。

具体的な人員数などは言えないが、直近では開発部隊とツイート監視部隊において、健全性と透明性の確保に必要な人的リソースを重点的に配分している。日本語の対応に関しても、日本語がわかる、話せるというだけでなく、日本語の文脈をきちんと理解できる人材を急ピッチで採用している。

――機能面でも新たな対策はあるのでしょうか。

直ちにツイート削除やアカウント凍結につながるポリシー違反でなくても、表現が特定の誰かを傷つけるというケースは多くある。そこで、そういうたぐいのツイートを、多くの人の目に触れないよう「非表示」にする新しいアプローチを試みている。

攻撃的、不快と思うツイートを報告する画面(画像:ツイッターのウェブサイトをキャプチャ)

“荒らし”といわれる、悪さをしようとする人には一定の傾向がある。昨日今日作られたばかりの“捨てアカ”(捨てることが前提のアカウント)を使っていたり、似ている内容を繰り返し投稿したり、フォローしていないアカウント宛に返信したりといった具合だ。これらの行動シグナルと、人やAIによる文脈理解を組み合わせて、不適切と判断されるツイートは非表示化していく。

成果も見えている。ツイッターでは、ユーザーが攻撃的だ、不快だと思ったツイートを「報告」できる機能を設けているが、非表示化の措置を取り入れてから報告の数が、検索結果の画面においては4%、タイムライン画面においては8%減少した。

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