韓・中からソーラーケータイが相次ぐ

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小


 身近な家電が太陽光で手軽に充電できれば--。誰もが1度は思いつくこのアイデアが、2009年は大きく前進しそうだ。先鞭をつけるのは携帯電話。2月中旬にスペインで開かれた携帯電話の展示会「モバイル・ワールド・コングレス」で、太陽電池搭載の端末が注目を集めた。

 韓国サムスン電子の新機種「ブルーアース」は、米アップルのiPhoneに似たタッチパネル型端末。背面が太陽電池パネルになっており、この面を太陽に10~14時間かざしてフル充電すれば4時間の連続通話が可能。09年後半に欧州市場で発売される見通しだ。また韓国LG電子も太陽電池搭載端末「エコフォン」を発表。こちらは太陽光で10分充電すれば3分の通話が可能になるといい、外出先で電池切れになった場合の緊急避難的に太陽電池を搭載しているようだ。09年内の発売を計画している。

ただサムスン、LGの端末はいずれも無線通信規格ブルートゥースを搭載するなどした高級機種。これらの機能を小さな太陽電池で稼働させるのは難しく、既存の充電方式の補助にすぎない、というのが関係者の声。経済効果よりも、「私はエコ派」と主張する層が“環境アイテム”として購入するケースが多い。

そんな中、新市場を開く本命と期待されるのが中国の通信機器大手・中興通訊(ZTE)の低価格機種。発展途上国の非電化地域での使用を想定し機能を通話に絞ったことで、約30ドルという超低価格を実現した。1時間、太陽光で充電すれば15分通話できる。すでにジャマイカの通信事業者・ディジセルが採用を決めており、6月には中米・カリブ海地域で発売される見込み。ZTE幹部は「世界では約20億人が非電化地域で暮らしている。この層が使える端末を作れば大市場を開ける」と意気込んでいる。

先進国の消費者にしてみれば、気長に何時間も太陽にさらすよりACアダプターや乾電池で電力供給したいと考えるのが自然。だが電力インフラが未発達な発展途上国が新たな消費市場と認識されるようになった今、太陽光充電にようやく光が当たりそうだ。

(週刊東洋経済)

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事