「嫁姑問題」はコトの善悪の問題ではない 義父母にこき使われる悲運を嘆く前に

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しかし、この“献身”は姑たちを、ますますつけ上がらせる以外の何物でもなかったというのです。姑の陰口や周囲の嫌味や雑音を、堂々と聞き流す器量を持つべきだったと、彼女は後悔しています。

睡眠時間を削ってまで献身的に尽くすのではなく、「もっと自分の時間を作って何が悪い? 嫌味を言う人には、気になるなら、あなたがどうぞ一緒に働いてくださいと言えばよかった」と言います。喧嘩調でなく、懇願するようになら、勇気を出せば言えそうですね。

姑のわがままを、まかり通らせる方も悪い

佐代子さんの話は続きます。“仏壇の掃除を始め、身の回りのできることは自分でさせることの方が、年寄りに対する愛情ある行為”だと,彼女は確信をもったそうです。痒い所に手が届く甲斐甲斐しい世話は、すべての日常の営みを取り上げて、体よく早くボケるように持っていっているようなものだと、感じたそうです。

そうした意味でも、自分に何もかも親の世話を押し付けて、このことに気付かない周囲の親戚を、彼女は軽蔑しています。そのせいかどうか判りかねますが、彼女の姑は、友人の中でも一番に痴呆症になりました。舅姑恐れたあまり、すべてをやってあげてしまった自分の罪かもしれないと、佐代子さんは時々思うそうです。

さやか様、「義父母が死ぬまで、このような生活を送るのか」と仰っておられますが、100歳を超える人がザラにおられる今日、あなたが義父母より長生きする保証は、どこにもありません。

それに佐代子さんの反省は、あなたに大きな教訓をもたらしています。考えようによってはお互いに、先は長いのです。

義父母に、義父母自身のためにもできることは自分でするよう、ダメ元でご夫君も交えて伝えていくのです。勿論まったく手を貸さないというのではありません。たとえお茶を入れること一つでも、自覚してもらうことが大切です。それらを徐々に増やしていくのです。これらは姑さんから言い出されることは絶対にありません。

周囲の嫌味や雑音を恐れて、我がままな姑さんの目線に合わせてあなたが動いている限り、姑さんは変わりませんし、あなたの世界も前進がありません。

酷な言い方ですが貴方が“大人”であるばかりに、姑の我がままを、貴方がまかり通らせてきました。もう一段あなたが大人になって、姑の我がままな目線や価値観から離れましょう。

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