オカルトについてもまじめに研究されている--『脳には妙なクセがある』を書いた池谷裕二氏(脳研究者、東京大学大学院薬学系研究科准教授)に聞く
──そんなことをしたら、「夢」がなくなりませんか。
そういう考え方もできるが、初めから自分に才能がないものはあきらめたほうがいい。逆に才能があるものについては、可能性がはっきりしてきて努力のしがいがある。こういう言い方もできよう。
──どうやって自分の遺伝子を調べたのですか。
米国には一般人向けの解析会社が3社ある。1回に上限100万カ所の解析検査をしてくれる。私が安価でできたのはバーゲン期間中だったからだ。通常価格は現在2万5000円ぐらいか。数年前までは何十万円もしたようだ。
──技術と機器の発達で安く?
加えて、3社競合になり、価格破壊が起こった。解析結果は、当たり前と思えることも教えてくれる。私は血液型がO型だが、O型、男、日本人ではないかという項目もあった。また、考えてみたこともないこともわかった。自分のルーツについてで、500年ほど前に祖先はどこにいたか。母方は日本ではなく、南方系から来ているという。
──その会社へのアクセスは。
先方のホームページで要件を記入して送信をクリックすればキットが送られてくる。それに少々の唾液を入れて送り返せば、1カ月半ぐらいで結果が出る。細胞核内の遺伝子からわかるわけで、この遺伝子があるのである種のがんになりやすいとか、近視になる遺伝子があるとか、さらには酒が好きなはずとか、もろもろの遺伝子によって自身の持っている特性を教えてくれる。