もし売り上げから諸々の経費を差し引いておカネが残れば黒字となり、その会社の蓄えが増えますが、逆に経費が売り上げを上回ったら赤字です。会社は日々の事業を通じて売り上げと費用を計算し、決算としてまとめており、それを一覧にしたものが「損益計算書」になります。
おカネを貯めるための第一歩として、私は個人も企業と同様に、この損益計算書をまとめることをお勧めします。「損益計算書」などというと、何かとてもややこしいものを作らなければならないように思えてくるでしょうが、難しく考えることはありません。要するに家計簿をつけましょう、というだけのことです。
ギャンブル投資で大金は作れない
あなたが労働を提供することによって得た毎月のお給料は、損益計算書の売り上げに該当します。そこから日々の生活に必要な、さまざまな費用を差し引いていきます。前述したように、生活をしていくうえでは食費、被服費、光熱費、教育費、娯楽費、交際費、家賃など、さまざまな支出が生じます。企業を経営することによって生じる費用と同じです。
収入から費用を差し引けば、毎月の損益が計算できます。これを毎月しっかり記録し続けていけば、自分の家計が収入に見合った支出になっているのかどうか、無駄遣いによって支出超過に陥っているのかどうかがわかります。もし支出が収入を上回っていて、貯蓄できない体質の家計になっている場合は、どの支出なら減らせるのかをチェックしていきます。こうして無駄な支出を減らしていけば、支出が収入を下回るようになり、貯蓄しやすい家計になるはずです。
将来のために、長期投資で資産を殖やすのも良いでしょう。でも、家計の底が抜けていて、無駄な支出だらけの状態だとしたら、いくら長期投資をしても資産を築くことはできませんし、そもそも長期投資に必要なタネ銭を作ることさえ出来ません。
5000万円という数字を目の当たりにすると、あまりにも現実味がなく、ともすれば一発逆転のギャンブル投資で何とかならないか、などと考えてしまう人もいるようですが、そのような方法で5000万円を作ることは不可能だと思ってください。大事なのは収入と支出を記録し、支出の無駄を省いていくことです。地味な作業ですが、それをやることで初めて、長期投資に回せる余裕資金が生まれてきます。
最近は、無料で使える便利な家計簿アプリも登場しています。これを使えば、一見面倒な家計簿管理も、簡単に出来るようになるはずです。詳しくは、私の近著「なぜ、お金の貯まる人は『家計簿』を大切にしているのか」で解説していますので、併せてお読みいただけると幸いです。
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