そこで産業政策、特にその育成のため、知識や技術力の増強、イノベーションの実施が急務ではないか。イノベーションとはオーストリアの経済学者シュンペーターの中心理論で日本語では“新結合”といわれている。まったく新たな組み合わせで結合させ、新しいやり方を導入することである。それが、企業と経済を発展させ新陳代謝(創造的破壊)を促すとしている。まさに、この映画も個性的なスーパーヒーローを“新結合”させて、さらに強くなっている。
筆者も企業戦略の講義のときに、事例として『シネマ経済学』を説明に使用している。筆者はこのシネマ経済学という分野を作った。普段はまったく関係がないと思われている経済と映画を“新結合”させたもので、新しい価値を生み出していると説明している。
さて、この『アベンジャー』、最近のアメコミの映画には多いのだが、エンドロールの途中で席を立ってはいけない。今後の重要なストーリーの頭出しがそこでされることが多いので。
しゅくわ・じゅんいち
博士(経済学)・映画評論家・慶應義塾大学経済学部非常勤講師・ボランティア公開講義「宿輪ゼミ」代表。1987年慶應義塾大学経済学部卒、富士銀行入行。シカゴなど海外勤務などを経て、98年UFJ(三和)銀行に移籍。企画部、UFJホールディングス他に勤務。非常勤講師として、東京大学大学院(3年)、(中国)清華大大学院、上智大学、早稲田大学(5年)等で教鞭。財務省・経産省・外務省等研究会委員を歴任。著書は、『ローマの休日とユーロの謎』(東洋経済新報社)、『通貨経済学入門』・『アジア金融システムの経済学』(以上、日本経済新聞出版社)他多数。公式サイト:http://www.shukuwa.jp/、Twitter:JUNICHISHUKUWA、facebook:junichishukuwa ※本稿の内容はすべて筆者個人の見解に基づくもので、所属する組織のものではありません。
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