アルビレックス新潟の奇跡:池田弘が語る人と組織の育て方(第2回)--指導者は「先生」ではなく、「インストラクター」であるべきだ
今、NSGグループと姉妹提携している学校は世界中に百数十校あります。そして、他の地域の専門学校に向けてそれらを紹介したり、コンサルタント事業として勉強会などを通じた指導も行なっています。その結果、その地域になくてはならない存在になっている専門学校群がたくさんできてきました。設立から指導させていただき、今では近隣の大学にも勝る存在になっている専門学校もありますよ。
--専門学校の指標の一つに資格試験の合格率があり、NSGカレッジリーグではその高さも強みになっていると思いますが、教育内容などに秘訣はあるのでしょうか?
夢を実現するための「実践行動学」という動機づけ教育プログラムがあるのですが、これを人間力開発の研修に活かしています。
たとえば、「美容師になりたい」と言って専門学校に入ってくる人のうち、本当になりたいと思っているのは3割くらいで、あとの6割は「なんとなくかっこいいから」「やることがないから、とりあえず」という人たちだとしましょう。しかし、その6割の人たちも本当に美容師になるために、まずは国家試験に合格しないといけません。そして、合格するためにはたとえ勉強が苦手でも、これから毎日勉強していかないといけませんよね。そのためには、まず意識を高める必要があります。
そこで、美容師になるためには何をしなければならないのか、学校に通う2年間をどう過ごせばいいのか、ということを強烈に意識させます。そして、美容師というのがいかに大切な仕事で、やる気や情熱を持って向き合わなければならないものなのか、ということを頭に叩きこむ。ディスカッションを重ねて、いかに自分の認識が甘くモチベーションが低いのかということを理解してもらうのです。最初にそうすることによって時間を無駄にすることなく、結果的に国家試験の合格率向上にもつながります。