アルビレックス新潟の奇跡:池田弘が語る人と組織の育て方(第2回)--指導者は「先生」ではなく、「インストラクター」であるべきだ
新しい分野という点で言えば、NSGグループには日本アニメ・マンガ専門学校というものがあります。設立する際は「いたいけな子どもをたぶらかして」「バカなことを言うな」などという声もありましたが、私はそこに可能性を見出してチャレンジをしました。その結果、今は「クール・ジャパン」と礼賛されているように、外国人の人気が非常に高い。中には、インターネットで当校を探してきたというフランス人も入学していますよ。
グループ内の事業創造大学院大学などの学校も含めると、合計で200人前後の留学生を受け入れています。中国、韓国、ベトナム、台湾、ミャンマーなどのアジア諸国の人たちが中心です。また、専門学校という存在が日本の中で大きな役割を果たしているのではないかと分析して、実際にNSGグループの専門学校を見学に来るアジアの教育関係者は多いですよ。
--そのような専門学校グループ「NSGカレッジリーグ」を新潟に作ったことの意味は大きいと思います。地方と海外がダイレクトにつながる関係性を作り上げたわけですね。
それを、私は「ストップ・ザ・東京」と言っています。これまでは、東京の学校に入学しても、国家試験に受からなかったり中退してしまったり、必ずしも成功とは言えないケースもよく見られました。そこで、地方でも東京をしのぐ教育ができれば必ず支持されるはずだと考えて、地域の専門学校が東京ではなく海外とつながる仕組みを作っていったのです。
従来のように東京を相手にしてしまうと、どうしてもナンバー2やナンバー3に甘んじてしまいます。しかし、介護ならスウェーデン、ファッションならニューヨークやミラノといったように、各分野で東京よりも先端を行っている場所はたくさんあります。ならば、そういう国と直接提携関係を結べばいいのではないかという考え方です。現地に姉妹校を作るなどして海外の専門学校や一流大学とのネットワークを構築し、先生などの人材も直接交渉して手配しました。