スタバの「フラペ」が1日40万杯売れる理由 なぜ好調なのか?関根純CEOに聞く(上)

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――現在の出店状況は?

ハイペースで出店している。今、多いのは地方のドライブスルー併設店が多い。ツタヤとの取り組みも増えており、ライセンス店も増加傾向にある。都心ではJRの駅ナカなど、今まで出店がしにくかったところから声をかけてもらっている。

特に地方は力を入れていて、会社全体を支えてくれる存在となりつつある。地方の人口動態やお客様の年齢層も含めて展開していく必要があるが、正直「ここは大丈夫か?」といった立地でも調子が良い(笑)。

――人手不足や建築費の高騰で出店を抑える外食チェーンが目立つ。

抑制どころかお尻をたたいている。地方では大学があるところでは、学生アルバイトが多く集まる。その反面、学校がないと若い働き手がいなく人手に苦労する地域があるのも事実だ。

ショッピングモール内に出店すると、最初はモール全体で2000~3000人を雇用する。スタバでも最初は20~30人くらいほしいけど、実際に集まるのは10人ちょっと。オペレーションが始まり、評判が広まって徐々に増えてくるパターンが多い。

新期出店はバランスを重視する

東京のスタバで働く従業員のうち、7割は学生の方。全国平均でも6割を占める。以前はマクドナルドで働くことが社会現象だったが、今はスタバで働くことがそうなりつつある。地方ではシニアの方も活躍しており70歳近くの従業員もいる。人手は十分ではないが、他社ほどの不足感はない。

全国1000以上の店舗で働く人が3万人いて、その人たちがブランドを作ってくれている。従業員調査では約90%の方が満足している、と回答した。そういう意味でも従業員を裏切れないし、彼らが自信を持って案内できる商品を開発していくことが重要だ。

せきね・じゅん●1947年生まれ。70年伊勢丹(現・三越伊勢丹)に入社。2009年札幌丸井今井社長を経て11年から現職(撮影:今井康一)

――都心では駅ナカ以外でも出店しているのか。

売り上げが著しく高い店舗の近くには、新しい店を早く作って競争させる。売り上げを下げないと、いつ行っても席が空いていない状況が続くからだ。都心の繁華街では土日に席を確保できないことが目立つ。従業員のストレスも増えてしまう。

一方で「またスタバかい」となると、ブランド価値を下げてしまう。店数が増えてもプレミアムな存在であり続けるのが、今のテーマでもある。

毎週火曜日には出店の審議会を行う。事前に開発担当が場所を探して、契約の1歩手前にきた案件を最終審査するのが目的だが、それを精査するレベルも上がってきた。失敗したケースはゼロではないが、非常に少なくなった。20年近くやってきているので、ノウハウも身についてきたと感じる。     

後日、インタビュー後編を掲載予定です。

又吉 龍吾 東洋経済 記者

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またよし りゅうご / Ryugo Matayoshi

2011年4月に東洋経済新報社入社。これまで小売り(主にコンビニ)、外食、自動車などの業界を担当。現在は統括編集部で企業記事の編集に従事する傍ら、外食業界(主に回転ずし)を担当。趣味はスポーツ観戦(野球、プロレス、ボートレース)と将棋。

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