新潟キャバ嬢の衣裳が華やかになったワケ 「地方は売れない」を覆した女性社長の直感力
言葉もわからない。当てがあるわけでもない。それでも彼女は単身中国へ乗り込んだ。結果として、彼女はこの旅で、自社製品の製造ラインを確保することになる。しかし、この旅では自身の身の危険を感じることもあったという。一見無謀にも思える危なげな行動力。しかし、これこそが彼女の強みでもある。
言い訳してるだけじゃ何も変わらない
彼女に自らの強みを問うと、「考えすぎないことと、運がいいことかな」と笑って話す。
「考えれば考えるほど、難しいこととか無理そうなことばかりが思い浮かんできて、結局は挑戦することをやめてしまうような気がします。うまくいかないのなら行動して失敗したほうが、何もしないより学ぶことはたくさんあると思うんですよね」
中国の工場集積エリアへ出かけていって引き受けてくれるところを探す。ネットショップを開設するため、タイピングすらできないのに独学でECサイトを立ち上げる。あれこれ考え、準備に時間をかけるくらいならまず動く。清水さんならではの行動哲学だ。
2009年、彼女が個人として行っていた事業は収益額があまりに大きくなり、税務署から法人化を勧められることになる。その際の彼女の反応にも、「まず動く」という行動哲学が顕著に表れている。
「年商が3億円を越えた頃に税務署の方が来られて、『法人にした方がいいですよ』って。法人税も2年間免除になるっておっしゃったので、『あ、お得かもしれない』って」
2015年、新潟の古町で肩パット入りのスーツを着るキャバ嬢を見ることは、ほとんどない。一見すると逆境かと思われたフィールドで、清水さんは「新しい文化」を創った。
「自分の商品が売れないと、環境のせいにしたり、商材のせいにしたりと、言い訳を言う人がいるかもしれません。でも、そんなことに時間を使うなら、売るための“次”の行動をしたらいいと思います。デザインが悪いのか、値段が高いのか、買いにくいのか。自分が思う『売れない原因』を解決するために、デザインを変えるために企画部署と交渉をする、開発部署と一緒にコストを見直してみる、ユーザーが買いやすいようにマーケ部門に助言してみるなど、営業マンという枠を超えて行動すべきだと思うんです。こういう風に前向きに行動していれば、きっと運も向いてくるはずです」
(取材・文/浦野孝嗣 撮影/竹井俊晴)
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