東電値上げの舞台裏、福島原発費用めぐり紛糾、歪められる会計ルール 

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東電値上げの舞台裏、福島原発費用めぐり紛糾、歪められる会計ルール 

動くあてのない原子力発電にかかわる費用が料金原価に──。政府は7月19日、東京電力の家庭向け電気料金の値上げ幅を8・47%とし、9月1日から施行することを決めた。

東電は5月、原発事故に伴う燃料費の膨張が経営を圧迫しているとして、家庭向け電気料金を平均10・28%引き上げる料金改定を申請した。その後、経済産業省の「電気料金審査専門委員会」が値上げについて審査を行い、7月5日に査定方針案を策定。

消費者庁の第三者委員会が、この方針案が消費者の観点から妥当かどうか協議し、17日に意見書を提出していた。経産省と消費者庁はこの二つを基に、最終的な値上げ幅を決めた。

ただ、経産省と消費者庁の委員会では電気料金を決めるベースとなる原価に何をどの程度含むかについて意見が異なる点があった。中でも意見が真っ二つに割れたのが福島第一原発5、6号機と第二原発の扱いだ。今回、東電の電気料金の原価内にはこれらの原発の減価償却費が含まれている。

経産省側がこれを妥当としたのに対して、消費者庁側は「原価に算入すべきではない」と、真っ向から反対。政府は結局、減価償却費の原価計上を認めた。

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