東電値上げの舞台裏、福島原発費用めぐり紛糾、歪められる会計ルール 

東電が5月に国に提出した「総合特別事業計画」では、福島原発は今回の値上げ対象となる今後3年間どころか、10年間にわたって再稼働は見込まれていない。にもかかわらず、減価償却費を原価に含めることに対しては、「稼働できない原発を料金原価に含めるのは無理がある」と、経産省の委員会でも反対意見が相次いだ。

それでも最終的に「妥当」とした背景には、「原価に入れないと長期的に資産価値がないことを認めることになる」(委員で会計士の永田高士氏)との問題がある。

料金から外せない事情

仮に原価に含めない(=資産価値がない)とした場合、東電はこれらの設備を減損処理する必要性が生じる。となれば「数千億円の財務への影響も考えられ、財務が毀損すれば(金融機関からの)資金調達も難しくなる。資金調達の問題と切り離せるなら料金に入れるべきではないが、事はそんなに単純ではない」と、永田氏は2日に開かれた委員会で吐露。また、原発の再稼働には地元や国の同意が必要なため、委員会がその可能性を判断するのも困難として、減価償却費の計上を認めた。

そもそも福島原発を減損処理すべきとの意見も根強かった。これに対して東電は「発電所単体ではなく、発電から送配電まで一体とした事業の収益性で考えている」として、稼働状況にかかわらず減損処理しない考えを示してきた。確かに減損会計の適用は資産グループ単位で行われるため、原子力発電や電力といった事業単位で将来的な収益性に問題がない場合、個別の発電所を減損処理する必要性はないといえる。

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