大統領選は「米国版さとり世代」次第で動く! なぜ彼らは民主党リベラルを推すのか?

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移民問題:保守派の多くは移民を制限し国内の雇用を守ろうという立場です。逆にリベラルは移民を積極的に取り込むことで経済を活性化させようとしています。

格差問題:保守派は「自由な経済活動」という資本主義の立場に則り、その結果としてある程度の格差を容認しています。逆にリベラルは「行きすぎた格差是正」と「もっと公平な富の再分配」をうたっています。

ピュー研究所が行ったアンケート調査から分析したところ、ミレニアルズの40%がリベラル的な考え方を持つのに対し、保守派は15%でした。残り40%は両方の考えのミックスということもわかりました。さらに18歳から24歳の若いミレニアルズだけを対象にした他の調査では、7割がリベラルという数字が出ているほどです。

またミレニアルズの50%がリベラルの民主党支持または民主党寄り、34%が保守の共和党支持または共和党寄りと結構な差がついています。

この差が前の世代に比べて広がっています。ベビーブーマー(1946〜1964年生まれ)では46%が民主党または民主党寄り、それに対し共和党は42%。その前のサイレントジェネレーション(1927~1945年生まれ)は47%対43%ですから、ミレニアルで民主党支持者が拡大しつつあることがわかります。一方、対抗する共和党支持と答えたミレニアルズも、「リベラルよりの共和党支持」になりつつあり、全体的にリベラルな傾向が強まっているのです。

ではなぜリベラル? その理由を理解するためには、まずミレニアルズたちが置かれている現状を知る必要があります。

ミレニアルズが感じる「強い懸念」

覚えている方も多いかもしれませんが、2011年にOccupy Wallstreet(オキュパイ・ウォールストリート)というミレニアルズによるムーブメントが大きな話題になりました。1%の富裕層が米国の政治経済すべてを握っている、取り返しのつかないほどの格差が生まれてしまっている、と叫んだ抗議行動のことです。それ自体はすでに勢いを失いましたが、「1%の富裕層対99%の庶民」という図式は、ミレニアルズだけでなく米国人の頭の中にしっかりと残りました。

ハーバード大学の2014年の調査ではミレニアルズの過半数は米国の格差問題を深刻に捉え、64%がその格差は自分たちが生まれて以降に拡大を続けていると感じています。それを実際に数字で見るともっとハッキリしてきます。

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