スズキのインド子会社で暴動が発生し死傷者も。生産停止続けば業績への悪影響は必至
スズキのインド子会社であるマルチ・スズキ・インディアで7月18日、従業員による暴動が発生し、工場の稼働がストップした。現段階で再稼働のメドは立っていない。
暴動が起きたのは、インド北部にあるマネサール工場。日本のスズキの広報担当者によると、現地従業員1名が死亡、日本人駐在員2名が負傷した。現地報道によると、従業員など少なくとも90人が負傷して病院に搬送され、工場の設備も放火されたという。
同工場では昨年も大規模なストライキが発生し、乗用車8.5万台の生産に影響が出た。昨年のストの背景には労働者側に第2組合設立の動きがあり、最終的な解決にはおよそ半年の時間を要した。ただ、今回の暴動についてスズキは、「具体的な要求はなく、昨年のストとは別の問題と認識している」(広報担当)とする。
スズキはインドに2つの工場を有する。マネサール工場は現在の生産能力が年間60万台規模で、2013年半ばには生産能力を85万台へ拡充させる見通し。2工場合計では175万台規模となる。さらに15~16年には、インド西部に第3工場を稼働させる計画を持っている。
スズキはインド市場で乗用車のシェア4割強を握っており、同社にとってもインドは最大の収益源になっている。前12年3月期のインド事業はストの影響もあり減益で終わったが、今13年3月期は販売台数約10%増を前提に、会社側はインド事業の増収増益を見込んでいる。
ただ、今回の暴動に伴う生産停止が長期化すれば、業績への影響は必至。また、労使関係の安定化が課題であることも、あらためて浮き彫りになった。
※写真は4月にマルチ・スズキが発表したインド戦略車「エルティガ」
(並木 厚憲 =東洋経済オンライン)
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