郡山市のずさんな放射能汚染土砂処分の実態 子どもが遊ぶ公園にひそかに埋設
周辺地域の除染作業で発生した土砂や汚泥が公園などに埋設されている事実は、たまたま除染作業を目撃した近隣住民が疑問を感じて、郡山市に公文書の開示を請求したことで判明した。東洋経済記者が住民を通じて入手した市の文書(写真3)によれば、郡山市が除染活動を実施した町内会などに補助金を出す「線量低減化活動支援事業」に関連して「不適切な保管」の疑いが持ち上がったのは21カ所(下表参照)に上っている。
市の文書によれば、昨年10月3日までに除染が実施された喜久田スポーツ広場には960立方メートルもの放射性物質を含む土砂や汚泥が埋められており、そのうち市の補助金に基づき住民が自主的に除染活動を行う「線量低減化活動支援事業」によって埋められた土砂が160立方メートルに達している。
また、昨年11月18日までに土砂の埋設が完了した桃見台公園では、近隣住民への説明会が実施されないまま、「市および業者により、軽トラック5台、水中ポンプ2台、ダンプ4台、ふた上げ機20機、土嚢袋1000枚」などという大掛かりな作業が行われていた(写真4、5、6)。
その一方で、「説明会を開いてほしい」との住民からの電話での要請に対して、市の担当者が「除染作業の主体は市ではなく町内会なので預かり知らない。今回は時間的余裕がないので周辺住民への説明会はしない」と答えていたことも、住民による電話の録音記録で明らかになっている。
放射性物質汚染対処特措法(以下、特措法)および同法に基づくガイドラインが施行された今年1月以降も、柵の設置や埋設した事実を示す掲示板の表示もないまま、島中央公園など8カ所に土砂や汚泥が持ち込まれていることも市の開示文書でわかった。