郡山市のずさんな放射能汚染土砂処分の実態 子どもが遊ぶ公園にひそかに埋設

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「仮仮置き場」は耳慣れない言葉で、特措法や環境省のガイドラインでは記述がない。だが、汚染土砂の中間貯蔵施設や仮置き場の選定が周辺住民の反対で難航する中で、県は現場保管と仮置き場との間に位置する「一時仮置き場」「仮仮置き場」という新たな概念を考案した。

そのうえで、「車で数分」という広範囲にわたる除染を実施した場合でも「現場保管に当たるので掲示板や柵の設置、地下水のモニタリングなどは一切不要」という言質を環境省の担当者から引き出した。そして「現場保管と見なしていい」との見解を県を通じて得た郡山市では、特措法が施行された今年1月以降も引き続き広範囲な除染を実施した場合でも、一切の表示をしないで済ませている。

 だが、表示をしない場合、何も知らない住民を被曝リスクにさらすことになりかねない。

環境省が今年5月11日付で都道府県宛に出した通知では、特措法に基づく除染実施計画策定前に実施された除染作業で発生した土壌や廃棄物について、特措法の規制対象にはならないものの放射性物質を含むことから、「特措法やガイドラインに沿って対応することが望ましい」とされている。

郡山市の場合、中間貯蔵施設や仮置き場の設置場所が決まっていないことから特措法に基づく除染実施計画はいまだに策定されていないものの、特措法やガイドラインの趣旨が補助金を得て実施される除染作業に及ぶことは通知からも明らかだ。

 とはいうものの、環境省が広範囲の除染の場合でも埋設土砂は「現場保管として取り扱う」という見解を示したことから、通知そのものが形骸化している。

郡山市では今年度の線量低減化活動支援事業に関する町内会からの申し込みを6月から受け付けており、再び公園やスポーツ広場に放射性物質を含む土砂や汚泥が持ち込まれる可能性が出てきている。

 

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