郡山市のずさんな放射能汚染土砂処分の実態 子どもが遊ぶ公園にひそかに埋設
福島県郡山市内の公園やスポーツ広場、河川敷など21カ所に、広範囲にわたる除染作業で発生した放射性物質を含んだ大量の土砂や側溝の汚泥がひそか埋設されていることがわかった。埋設場所は明示されておらず、公園やスポーツ広場では事情を知らない子どもが遊んでいる(写真1)。
公文書開示請求の手続きを通じて土砂埋設の事実を知った住民から不安の声が湧き上がっており、市議会でも除染作業や土砂の管理体制がずさんだとの批判が相次いでいる。
環境省が昨年12月に策定した「除染土壌の保管に係るガイドライン」(以下、ガイドライン)では、市町村やコミュニティ単位で設置した「仮置き場」に該当する場合、柵を設けて立ち入りを禁止し、さらに掲示板を設置して保管場所である旨を明記するとともに、空中の放射線量の測定や地下水に含まれる放射性物質を監視するための井戸の設置および地下水のモニタリング実施が求められている。
郡山市の「放射性物質除染マニュアル」(2011年10月策定)でも、「地下埋設による一時保管」の場合、「人が立ち入ることのないように囲いを設け、放射性物質を含む土砂等を埋設する旨を表示します」と記されている。
ところが、除染マニュアルを定めた郡山市自身が柵や掲示板の設置、埋設地点での定期的な空間線量の測定や地下水に含まれる放射性物質のモニタリングを行っておらず、除染前と除染後の公園内の空間線量の測定結果が公園の入り口に掲示されているにすぎないことが判明した(写真2)。大量の土砂や汚泥を埋めた事実自体も公表していない。