吉野家が新商品「焼味 ねぎ塩豚丼」を夏季限定発売。3カ月間で1000万食を狙う
吉野家ホールディングスは傘下の牛丼大手「吉野家」が、7月10日からの夏季限定で「焼味 ねぎ塩豚丼」を全国で発売すると発表した。価格は並盛りで390円、大盛りで490円となる。
ねぎ塩豚丼は昨年12月に刷新し、3カ月で1000万食を売り上げた「焼味豚丼 十勝仕立て」の関連商品。期間限定の商品を投入することで、“ヨコ展開”を狙う。
吉野家は牛丼のようにしょうゆベースの商品に特化してきた。今回のねぎ塩豚丼については「焼味豚丼で”煮る”から”焼く”へ新しい調理法を開拓し、ねぎ塩豚丼では初めて塩ベースの商品に挑戦した」と、開発を統括する鵜澤武雄・取締役企画本部長は意気込みを語る。販売に関しては「十勝仕立ての初動と同数の販売を見込む」(鵜澤本部長)と、3カ月で1000万食の販売を目指す計画だ。なお、ねぎ塩豚丼の販売と並行して、従来の焼き豚丼も販売する。
牛丼業界では、昨年6月に三光マーケティングフーズが焼き牛丼「東京チカラめし」で業界に参入して以降、「焼味豚丼」(吉野家)、「牛カルビ丼」(松屋)など焼き丼の商品投入が増加傾向にある。吉野家は”焼味”など焼き丼商品の今後について、「牛丼の焼味は考えていない」(鵜澤本部長)と否定的。「かつて支持のあった焼き肉丼のような商品は今後も検討していく」(同)と説明するにとどめている。
吉野家の既存店売上高の月次推移は、前12年2月期には95.1%と前年割れに沈み、今期も12年3~6月の平均で95.7%と苦戦を強いられている。吉野家は打開策としてテーブル席を設けたり、照明を明るくするなど店舗の改装を急ぎ、女性客や家族連れ客の集客に動いている。今回の商品施策についても、女性客でも手が伸びやすいさっぱり味の商品によって、新規客の取り込みを図る狙いがありそうだ。
ただ、ねぎ塩豚丼については、同業の松屋フーズが「ネギ塩豚カルビ丼」を11年10月に販売開始したものの、翌12年5月に販売を終了した経緯がある。はたして豚丼に続くヒット作に育て上げられるか。吉野家の暑い夏が始まりそうだ。
(松浦 大 =東洋経済オンライン)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら