物理学者は、数学者の肩に乗った小人なのか フレンケル教授の「数学白熱教室」最終講義
第1回 「究極の数学」は驚くほどエレガントで力強い
第2回 天才数学者が決闘死前夜に残した奇跡のメモ
第3回 日本の天才数学者、谷山豊が得た奇跡の着想
エドワード・フレンケルの『数学ミステリー白熱教室~ラングランズ・プログラムへの招待~』(全4回)が12月4日に最終回を迎えた。現代数学の壮大なビジョンであるラングランズ・プログラムを、広く一般に紹介しようという野心的なテレビ・シリーズだ。
第4回は「数学と物理学 驚異のつながり」というテーマだ。このテーマこそが、このシリーズの山場だとわたしは思うのである。ひとつには、現在のフレンケルが、このつながりを解明することに大きく関わっているからだが、もうひとつには、彼がもともと数学の世界に入ったのは、物理学のことをもっとよく理解したかったからだ。
物理学は数学によって予め発見されている?
少年時代の彼は、物理学に魅了されていた。とくに素粒子物理学に興味があった。しかし、マレイ・ゲルマンが提唱したクォークモデルは、どうにもわからなかった。いったいどこから、あんな考えが出てきたのだろうか。ゲルマンは「八道説」という、何やら東洋思想めいた不思議な説を唱えていたが、いったい何でそんなことを思いついたのだろう?
そんなことを考えていたとき、家族ぐるみのつきあいのあった数学者が、「それを理解したければ数学をやるしかない」と教えてくれたのだ。物理学は、数学によって説明されているのだ、と。
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